大手製造業を主要顧客に、独自に開発した間接材購買システムをクラウドサービスとして提供するジーニーラボ。間接材購買システムの需要は大手企業であり、さらに、それを提供するシステム会社はいずれもジーニーラボより大きい企業ばかり。そんな厳しい競争環境の中で、「世の中にお客様が満足できる間接材購買システムがない。誰もまじめに取り組まないなら、自分がやるしかない。」と一念発起し、59歳で会社を作り、本格的にシステム開発に取り組んだのが米谷雅之代表取締役社長だ。
米谷社長は、大学卒業後、日本IBMで30年ほど働いたのち、ソフトバンク(現SBC&S株式会社)に10年近く勤務し、間接材の集中購買化支援サービスを事業化し立ち上げた。
米谷社長:「ジーニーラボでは、自社の社員や開発委託先のエンジニアと、知恵熱を出して激論を交わしながら、最盛期は100名を超える開発体制で、理想の購買システムを作り上げました」
熱血漢社長がユーザーに心から満足していただけるシステムを作ろうと人生を賭けて夢中で取り組むこれまでになかった間接材購買システム
ジーニーラボ株式会社
代表取締役社長
米谷雅之
誰でもが研修を受けたりマニュアルを読まなくとも、自然な発想で操作ができる画面作りや画面遷移を考え、購買業務をスピーディに行えるよう効率化し、購買業務に関わる労務コストを削減できる。
米谷社長:「社名は、アラビアンナイト物語のアラジンに登場する、3つの願いを叶えてくれる魔神ジーニー(Genie)のように、お客様の困りごとを解決する会社になろうと発想し、Japan発信のグローバルに通用する購買ソリューション企業になろうと、頭文字を“J”と変えJienieとしました。」
目標は大きくグローバルな競合企業に勝る購買ソリューションベンダーだ。
購買・調達業務への適合性が高く 操作性に優れた購買システム
原材料や資材など購買部門が一元的に調達する直接材と違い、間接材は生産設備の消耗品や事務用品などの物品だけでなく、清掃や警備、人材派遣などの役務サービスなどと多岐にわたる。全社で各部門の社員が本業の傍らに自部門の調達・購買に関わることがある。そのため、管理・統制が不十分で、業務も非効率になっていた。
「従来、人が入力や選択をしていた項目を、所属組織や購入品目などの情報やその企業独自のルールや習慣、さらには関連法規にも対応し、システムが自動的に判断して最適値を表示するなどの機能を搭載しました。調達・購買にかけていた時間を大幅に削減し、コスト削減や購買に絡む不正なども防ぐことができるのが、間接材購買プラットフォーム『ジーニー2.0』なのです。今後さらにAIを搭載して自動化を進めようと考えています。」とシステムの魅力について米谷社長は説明する。
顧客の購買・調達業務への適合性が高く、操作性に優れ、業務の効率化・自動化を追求した製品であることや、使いやすさや分かりやすさを実現したユーザーフレンドリーなインターフェースを備えていることが同社の間接材購買システムの強みだ。
こうした製品を生み出せる社内環境として、判断、決断、実行というプロセスが圧倒的に早いことに米谷社長は言及する。
米谷社長:「小回りが効く“小さな会社”だから、社長が自信を持って決めて、即刻製品化することが可能なのです。社長自身がお客様を訪問し、要望を直接伺う。ピンと響いた要望は、すぐさま製品に反映しようと機能改善、新機能開発をすぐに決断します。規模が小さいことが迅速な実行を可能にしています」
高次元の能力を持つ少数精鋭で業務の効率化や自動化を探究
ジーニーラボ(株)本社が入居する六本木1丁目のオフィスビル
ベトナム子会社、ジーニーラボアジア。
「弊社は、業界の中では高水準の給与を払っていると思いますが、目指す株式上場の時には、国内の上場企業トップ10社に入る平均給与にしたい」という米谷社長。優秀社員にはストックオプションを付与し、上場の折りには億万長者にするとも公言している。
同社は国内・海外(ベトナム)合わせて約40人足らずの会社。社員は多国籍で、平均年齢30歳、男女比は男女比は60対40。
米谷社長:「既に製品は出来上がっているので、機能改修や新機能の開発を内製するには十分な規模。より良い製品開発を続けていくには、購買業務をよく理解して、業務の効率化、自動化を考えられるエンジニアが必要で、少数精鋭のセンス溢れるエンジニア集団が理想です」
間接材購買業務のコンサルでリスペクトされる社員になる
今後はこれまでのビジネスを継続させながら、買い手だけでなく、売り手も有益な企業間取引ができる場である、マーケットプレイスを創り提供していく考えだ。
「このマーケットプレイス事業も軌道に乗せられれば、安定的に成長します。マーケットプレイスでは取引代金の決済に、協業企業とのアライアンスによりFinTechサービスも提供します。」と将来を語る米谷社長。
同社のシステムは、顧客の業務に合わせカスタマイズすることを前提にしており、業務内容やその企業独自の慣習などを十分に把握することが必要だ。
「お客様の業務内容を深く理解した上で提案をさせていただくので、さしずめ私たちは間接材購買業務のコンサルタントのような立場で商談を進めます。研究熱心で難しいことを分かりやすく説明することが信頼づくりのポイントになります。ですから営業ではなくコンサルタント能力を持った人材を当社は探しています」とし、「お客様から信頼され、リスペクトされる社員と共に会社の成長を目指したい」と米谷社長は語る。