創業以来の事業は、「施工管理部」と「設計部」。「施工管理部」は、国土交通省や高速道路会社の業務支援として、道路・橋梁・トンネルなどの設計照査、工事発注から完成までの積算支援、安全・品質・工程管理などを行う。一方の「設計部」は、道路・橋梁などの新設設計や、補修・補強設計を行っている。
2000年代には日本道路公団の民営化や公共事業縮小の影響を受けたが、高速道路会社の事業伸長により再び安定。各高速道路の大規模更新・修繕需要の高まりにより、事業環境は順調に推移している。
「開通当初の想定を超える交通量や積載荷重で、高速道路の老朽化が進んでおり、修繕・補修などの整備を必要とする状況が続く見込みです。日本は橋梁やトンネルが多く、高い技術力が求められるため、当社が培ってきた技術を活かす場はさらに増えるでしょう。」と、自らも多くの現場に携わってきた岩﨑社長は語る。
高速道路建設を支援する総合建設コンサルタントとして1971年に創業した大成エンジニアリングは、以後50年余りの間、高速道路の開通延伸とともに業務を拡大
大成エンジニアリング株式会社
代表取締役社長
岩﨑信治
同社が施工管理(発注者支援)業務を受託している「上信越自動車道 北野牧工事」。風化や地震による落石を防ぐため、北野牧トンネル坑口上にそびえ立つ高さ約70メートルの巨大な岩塊を、10年以上もの歳月をかけて撤去する、世界でも類をみない大規模な土木工事である。
都心部の市街地再開発に合わせ江戸・明治時代の遺跡調査需要が活況
事業の第二の柱である文化財調査は1999年、文化庁から発掘調査に民間会社活用の方針が示されたのを機に始まった。「文化財部」は、地方公共団体や不動産デベロッパーなどから依頼を受け、事前分析・提案から発掘調査、報告書作成までを一貫して行う。特に近年は、得意とする江戸時代から明治時代の案件で受注を増やしており、この分野の大手3社に入るまで成長するなど、好調だ。
こうして同社は大きく2つの事業により、この15年で売上を倍増させている。
資格取得の推進や多様な現場経験で個人のキャリアアップを支援
岩﨑社長:「当社は、長年の実績による信頼に加え、社員が高い専門性により、創意工夫を重ねた提案ができることで評価をいただいています。」
同社は、技術士・一級土木施工管理技士・埋蔵文化財調査士などの資格取得を全面的に支援しており、外部講習などの費用も会社が全額を負担。資格取得時には、技術士の場合は50万円の報奨金も支給する。
また、女性の現場進出も著しく、文化財発掘では細やかな仕事ぶりが依頼主からも喜ばれているという。
岩﨑社長:「社員のワークライフバランスを大切にしながら、意欲的に働ける環境づくりに今後も注力します。一人ひとりの健康管理を推進し、次の50年も一丸となって着実に成長していきたい。」
これからも社員の成長とともに、質の高い仕事に従事し、企業価値を向上させ、人々が安心して暮らせる社会づくりに貢献できる会社でありたいと語る。